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2019.11.18

食物繊維の一日の摂取量、多く含む食品とメニューを紹介

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私たちの健康に欠かすことのできない「食物繊維」。便通を整える作用があり、その大切さもよく語られていますが、残念なことに、日本人の食物繊維の摂取量は、若い世代を中心に、不足している傾向にあります。実は、食物繊維は食べ物に含まれている成分とは言え、現代人がよく食べるものから十分な量を摂取するのが難しいのが現状。しっかり摂るには、食材選びや献立も少し工夫をする必要があるのです。

今回は、食物繊維を摂るときにどんな点に気をつければよいのか、おすすめのメニューもあわせて、たっぷりご紹介します。

食物繊維はなぜ必要か?

食物繊維は第6の栄養素と呼ばれることもありますが、他の栄養素とは随分性質が異なります。どこが違うかというと、人間の消化酵素では、消化も吸収もできない成分であるということ。つまり、食べ物から摂取した食物繊維は消化されないまま小腸を通って大腸まで達し、便となって排出されます。
食物繊維が不足すると、便の量も減り、便秘を引き起こしてしまうことに。さらには、食物繊維があれば良い働きをする腸内細菌が、食物繊維が不足するとたんぱく質などを分解するようになり、有害物質を生み出してしまいます。悪玉菌が増え、毒素がたまった腸をそのまま放置すると、大腸がんなどの重大な病気に繋がる場合もあります。そのため、たかが便秘と侮っていると危険です。近年、日本人の大腸がんの罹患率は増加傾向を辿っています。腸内環境を整えることは現代人の課題でもあるのです。

便秘対策だけじゃない。生活習慣病予防にも繋がる

食物繊維は、腸内環境を整えることや便秘予防に役立つだけではありません。様々な研究で、肥満や糖尿病、高血圧、心臓病など生活習慣病の予防にも効果があることが指摘されています。ただ、食物繊維と一言にいっても、様々な種類があり、その働きも一様ではありません。健康維持のためには、同じ種類の食物繊維に偏らず、多様性を大事にして、色んな食べ物から食物繊維を摂ることをおすすめします。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維について

さて、食物繊維には様々な種類があると言いましたが、大きく「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられます。一般的に、皆さんが「食物繊維」と聞いて思い浮かべるイメージに近いのは、おそらく「不溶性食物繊維」。繊維状になっていて、野菜や豆類、きのこ類、果物、穀類に多く含まれます。代表的なものでは、りんごやごぼうに多いセルロース、小麦ふすまや玄米に多いヘミセルロースなど。これらは水分を含み膨らむことで腸を刺激し、便通を促します。一方、「水溶性食物繊維」は水に溶ける性質のもの。例えば、みかん、イチゴ、胡桃等に多いペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、海藻に多いフコイダン、大麦に多い大麦βグルカンなど、タイプも様々なものが挙げられます。これらは主に便を柔らかくする性質がありますが、それだけではありません。ゲル状になって胃の中をゆっくり移動するため、腹持ちが良くなり、食べすぎを防ぐことができます。また、近年は、コレステロールの排出を助けたり、血糖値の上昇を抑えたりする効果も指摘され、ますます注目が集まっています。

食物繊維の必要量はどのくらい?目安を知っておこう

それでは、私たちに必要な食物繊維の量とはどのくらいでしょうか?ここで改めて、私たちが目標とすべき、食物繊維の摂取量について確認しておきましょう。

成人男性と成人女性の目標量

厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準」によると、
1日に摂取したい食物繊維の目標量は、18歳以上70歳までの男性では20g以上、女性で18g以上とされています。1950年代までは、意識せずとも20gをゆうに超えていた日本人の平均摂取量は年々低下し、今やこの目標量をクリアすることすら難しくなってしまいました。最近では平均して14g程度しか摂れていないという調査報告もあり、特に20代~30代にかけては、より顕著に不足傾向にあることが明らかになっています。また、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2:1のバランスで摂るのが良いと言われていますが、現代人の食生活では3:1程度に傾きがちで、あまりバランスが良くないとも言われています。

子供やお年寄りの目標量

子供の場合、6,7歳くらいの実現可能な目標量として、11g以上の食物繊維を摂ることが推奨されています。これが10代に入ると、13g以上になり、10代後半にはもう、成人と変わらない量を摂取する必要があります。高齢者の場合も同じで、成人の目標量からほとんど変わりません。日常的な食生活で摂りすぎになる心配はありませんので、私たちは意識的に、毎日の食事でたくさん食物繊維を摂ろうと心掛ける必要があります。

食物繊維が不足すると、何が心配?

具体的な数値目標を言われても、食物繊維が自分に足りていないのか、なかなかピンと来ないかもしれませんね。不足した時の兆候や健康への影響についても認識しておきましょう。

便秘から腸内環境の悪化へ...

自分に食物繊維が足りているか足りていないかは、便通リズムなどでも知ることができます。1日に1回規則的に排便があり、バナナ1.5本分~2本分ぐらいの量が1つの目安といわれています。もし毎日規則的に排便がない、便が硬い、量が少ない、おなかにガスが溜まる...など何らかのすっきりしない要素があるようであれば、便秘が疑われます。便秘が続くと怖いのが、腸の中で有害物質が発生してしまうこと。それらを早く排出しなければならないところ、出口がふさがれている状態なので腸内に長くとどまることに...。これが、毒素がたまった状態ですが、放置すると、この毒素は血液中に溶け込み、体をめぐってしまいます。こうしたことから全身の不調にも繋がってしまいます。よく言う「便秘から起こる肌荒れ」とは、まさにこのことで、肌の調子が悪いときは腸内環境の悪化が疑われます。もっと深刻な病気を引き起こしてしまう前に、お腹の不快感や体調不良、肌状態の悪化も、不調を感じたら早めに腸内環境を整えることも考える必要があるでしょう。

生活習慣病を引き起こす

血糖値の上昇やコレステロールの排出を助けてくれる食物繊維。こういった身体の機能を整えてくれる効果は、現代人に多い生活習慣病の危険を未然に防ぐのに役立ちます。逆に言えば、慢性的に食物繊維が不足すると、生活習慣病を引き起こすリスクは高くなり、糖尿病や動脈硬化等、大きな病気に繋がる可能性も否めません。病気になってしまってからでは、体質改善は難しいもの。やはり日ごろから、気を付けておくことが大切です。

食物繊維を偏って摂ると、別の弊害も....

「食物繊維」を積極的に摂っているから大丈夫かというと、バランスが悪ければ、別の不調が出てくる場合もあります。たとえば、「不溶性食物繊維」ばかりを摂りすぎると、便の量は増えても排便がスムーズにいかず、腸内にガスが溜まってお腹がはってしまうことも...。また水溶性食物繊維ばかりを摂りすぎると、下痢っぽくなり、体に必要なミネラルが出てしまう可能性もあります。普通の食事から、このような極端なことは起こりにくいとは思いますが、食物繊維を摂る際には、その種類も意識できるといいですね。

主な食材の食物繊維の量は?

食物繊維の目標量は分かったところで、次の課題はどのように食事で賄えばよいのかということ。食物繊維が多いと言われる食材には、実際にどのくらい含まれているのでしょうか?正しく理解して、バランスよく食物繊維を摂りましょう。

野菜の食物繊維量

食物繊維が豊富なイメージのある野菜。気になる食物繊維の含有量について、1食分の量で調べてみました。

●レタス
生野菜サラダの具材といえば、レタス。食物繊維も多そうなイメージですが、1食分としては多めの50gを食べたとしても0.6g程度。含まれるのは、不溶性食物繊維がほとんどです。
●ごぼう
噛み応えのあるごぼうは、不溶性食物繊維ばかりかと思いきや、水溶性食物繊維もバランス良く含んでいます。1食40gのごぼうを食べた場合、全体で2.3gの食物繊維を摂ることができます。また、日本人にとって、昔から馴染みのある根菜類は全般的に食物繊維が豊富です。ぜひ積極的に食べるようにしましょう。
●アボカド
女性に人気のあるアボカドは、実は食物繊維が豊富。1個100g程度のアボカドを食べた場合、5.3gも食物繊維を摂ることができます。水溶性食物繊維が1.7gと比較的たくさん含まれているのも特徴的です。

豆やきのこ類、海藻類も食物繊維が豊富

豆類やきのこ類、海藻類も食物繊維が豊富です。特に豆類は、小豆や大豆、いんげん豆、ひよこ豆、どれにも不溶性食物繊維がたくさん含まれていて、腸内環境を整え、便秘予防に効果的です。乾燥豆は、戻したり、ゆでたりする手間がありますが、缶詰などを上手に利用してもいいですね。手軽な食材としては、納豆もおすすめです。
また、わかめ、こんぶなど海藻類に多く含まれるのは、水溶性食物繊維。コレステロールや塩分を取り込んで体外に排出したり、細胞のがん化を抑制したりする働きがあると言われています。海藻類をはじめとする水溶性食物繊維は、1日6g程度を目標値として、意識的に食事に取り入れるよう心がけましょう。

乾物も上手に活用しよう

乾燥豆もそうですが、乾物では他にも、干ししいたけ、ひじき、きくらげ、切り干し大根など、食物繊維が豊富なものがたくさんあります。ただ、食物繊維の含有量を調べるときには、少し注意が必要。乾物は水分のない状態で計算されているため、食物繊維の含有量が非常に多くなります。例えば、干ししいたけの場合、100g当たり41gの食物繊維も含まれていることになりますが、実際に食べるときは水に戻してから使いますよね。1食に食べる量を5gと仮定すると、そこに含まれる食物繊維の含有量は2g程度になってしまいます。とはいえ、他の食材と比べて食物繊維が多めなことは確かです。日持ちもして栄養価の高い乾物を活用するのは、とてもメリットがあります。

一日に必要な食物繊維20グラムを摂れるメニュー

1950年代は、多くの人が無理なく必要量摂れていた食物繊維。なぜ不足するようになったのでしょうか?その理由としては、日本人の生活スタイルが欧米化したことの影響が強いと言われています。やはり理想的なのは、和食を基本とすること。色んな品目をバランスよく取り入れながら、毎日のメニューを組み立ててみましょう。

朝食メニュー

和食が良いとは知っていても、やっぱり朝食はパン派という方もかなり多いですよね。食物繊維やビタミンを摂るためにも少し気を遣って、野菜や果物を一緒に食べるよう心がけましょう。パンも精製された白パンよりも全粒粉や胚芽入り、ライ麦パンなどがおすすめです。
●メニュー例
・アボカドのオープンサンド、バナナヨーグルト

昼食メニュー

昼食にバランスのよい定食を食べられればよいですが、余裕のないときもありますよね。簡単に済ませたいときも、少し工夫してメニューを選んでみましょう。
●メニュー例
・きのことベーコンのパスタ、野菜スープ
・ひよこ豆のカレー、コールスローサラダ

夕食メニュー

三食のうちで少し時間にゆとりのある夕食は、和食にしてみてはいかがでしょう?根菜や豆、海藻などをバランスよく取り入れて、ゆっくり噛んで食べることを意識すれば、カロリーの摂りすぎも防ぐことができます。
●メニュー例
・きんぴらごぼう、ひじきの含め煮、わかめのお味噌汁、焼き魚、ごはん

食物繊維がどうしても不足してしまう時はどうする?

日々忙しい現代人。栄養バランスを考えて、おかずを何品も考えるのが負担に感じる日もありますよね。
食事は日々のことですから、ストレスになってしまっては元も子もありません。気楽に健康習慣を続けられるように楽をできるアイディアも持っておくようにしましょう。

方法1:玄米食を取り入れる

食物繊維を摂るなら、まず野菜と思われがちですが、食物繊維は穀物からも摂取することができます。この場合、お米なら麦ごはんや胚芽ごはんを選ぶ方が、精製された白米を食べるよりもずっと効率的に食物繊維を摂ることができます。中でも、玄米は白米と比べても、食物繊維の含有量が高くおすすめです。野菜を使った副菜や主菜と組み合わせて、日頃の食物繊維不足を上手に解消しましょう。

方法2:サプリや栄養補助食品を活用する

食事で食物繊維を必要量摂るのが望ましいですが、不規則な生活でどうしても不足してしまう場合は、サプリメントや栄養補助食品の力を借りるのも1つの方法です。健康の基本は、食事にあるということを念頭に置きつつ、食事や生活のバランスを見ながら、上手にかしこく利用できるといいですね。

まとめ

今や飽食の時代。ありとあらゆる食材に恵まれているのに、大事な栄養素が満足に摂れていないというのは、悲しい現実です。一方、お米、野菜、豆、魚、を中心とした昔ながらの和食は、栄養面で考えてもとてもバラエティーに富んでいますよね。食物繊維不足を考えることを良いきっかけにして、普段の食事のバランスを見直してみませんか?

編集者 サンスター株式会社編集部
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