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2019.06.24

歯茎が腫れた 痛い?痛くない?膿や血が出た?歯茎のトラブル対処法

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きちんとケアしているのに、歯茎の腫れが気になる。自分でケアできるのか、歯科医院へ行くべきか迷っている。そんな方に、歯茎トラブルの正しい対処法を、サンスター財団附属千里歯科診療所の歯科衛生士・茨木浩子さんに教えてもらいます。

歯茎が腫れた、考えられる原因は?

歯茎は腫れても自然と治まることもあれば、なかなか腫れがひかないことも。そもそも歯茎はどうして腫れるのでしょう。その原因によって、症状や対処法も異なるのでしょうか。

プラーク(歯垢)の影響で奥歯の歯茎が腫れたりする

「プラークがたまることで歯肉炎や歯周炎、虫歯につながり、歯茎が腫れることがあります」と茨木さん。

親知らずが、歯茎の腫れに繋がることも。だからといって、歯茎の腫れは奥歯だけに表れる症状ではありません。歯磨きのクセや歯の形態によっては、プラークがたまりやすい状態になるため、奥歯も前歯も歯茎が腫れてしまうことがあります。

歯の詰め物やかぶせ物も、年齢とともに下がった歯茎との段差ができると、プラークがたまり歯茎の腫れにつながることも。定期的な歯科受診が大切です。

ストレスが原因で歯茎が腫れる?!

歯茎の腫れの原因は、虫歯や歯肉炎・歯周炎だけではありません。 睡眠不足やストレス、疲労などで抵抗力が落ちることで、歯茎が腫れてしまうこともあります。

歯茎は毛細血管が多く通っているため、体調の良し悪しによる症状が出やすい部分です。疲れが蓄積したり、気持ちが沈んでいるなどのストレスから、腫れることもあり、適切な休息は大切です。

また、お薬の副作用で、歯茎が腫れることも。その場合は、歯科と医科が連携して、他の薬に替えられないか検討することがあります」(茨木さん)
医療機関の連携によって適切に対応してもらえることが多く、薬を替えられない場合でも、状態に合わせたケアを指導してもらえます。歯茎の腫れが気になれば、まずは歯科を受診してみましょう。

痛いのと痛くないのは、どう違う?

歯茎が腫れて痛いこともあれば、痛みはないのに歯茎が腫れているという場合もあります。痛みがあるのとないのとは、どう違うのでしょう。歯茎の腫れの症状に違いはあるのでしょうか。

鈍い痛みや、ズキズキするなど、痛みがある場合

「患者さんが痛みを訴えるとき『ジンジンする』とか『歯がうずく』という表現を使われることが多い」と茨木さんは話します。

たまった膿に歯の神経が圧迫され、痛みが出ている可能性もあります。歯茎が膿んでいて、痛みがあるのであれば、切開して消炎消毒が必要なこともあるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

ぶよぶよしてるけど、痛くない場合

痛みを感じなければ、歯茎が腫れていても気づかなかったり、気づいてもそのままにしてしまうことがあるかもしれません。

けれど、痛みを伴わないからといって、安心はできません。

歯周病はサイレントキラーと呼ばれ、痛みを伴わないまま進行するのです」(茨木さん)
歯茎がぶよぶよしている状態、炎症を起こしている状態は、歯周病との関連が考えられます。歯周病を発症しているのか、どの程度まで進行しているのかなど、歯科医院でチェックを受けましょう。

歯茎の腫れや出血、諸症状をチェック!

痛みのあるなしに関係なく、歯茎の腫れは体からのサインだと考えられます。どのように対処したらいいでしょうか。もう少し具体的に症状別の対応を解説します。

膿や血が出たら

炎症の状態にもよりますが、痛くなければやわらかめの歯ブラシで優しくブラッシングをしても大丈夫です。歯に汚れが残らないように歯磨きをして、口内の細菌を増やさないようにケアしましょう。 「膿や血が出ると、お口の中に傷があるので、そこから細菌が入っていかないように清潔に保つことが大切です」

丁寧なブラッシングで汚れを除いてから、デンタルリンスなどで消毒します。アルコールの摂取、長風呂や半身浴なども、血行を促進するので膿や出血が気になる場合には控えましょう。

自己判断せず、できれば歯科医院を受診し、服用している薬などもチェックしてもらうと安心です。

ぶよぶよ?固い?

ぶよぶよした歯茎の腫れは、歯肉の腫れだと考えられます。その場合は歯磨きとデンタルリンスでの消毒や、歯石の除去で改善が期待できます。

歯茎が腫れているけど固いという場合は、歯科医院への受診を推奨します。
たばこなどの影響によって症状が出にくくなっていることも考えられるので、専門家に診てもらいましょう。歯周病などの慢性的な炎症なのか、それ以外の症状なのか、検査が必要と考えられれば、病院を紹介してくれることもあります。

熱が出た、頭痛がする

歯や口の中の症状が原因で発熱があることは、少ないと考えられます。けれど、抜歯のあとや、歯茎の炎症から熱が出ることもあり、その場合は歯科医へ相談しましょう。

「一般的に、熱が出たら内科などを受診しませんか?」と茨木さんもいうように、熱があれば初めに内科を受診してもよさそうです。

体調を崩したり免疫力がさがっていると、歯茎に症状が出ることも。体を休めるとともに、気になる場合には歯科医院を受診しましょう。

口が臭くなった

歯茎の腫れとともに、お口のにおいも気になりだしたら口腔内環境が整っていないサインかも。歯周病が原因の場合には、適切なブラッシングや、舌苔のケアなど歯科のプロケアが必要です。歯科医院で、ひとりひとりの状態にあったケア方法を知りましょう。

口臭は、心理的な要因からも強くなる場合があります。歯茎の腫れがそれほど気にならなければ、お口の保湿などで経過を見てもいいでしょう。

市販の薬でセルフケア 何日くらいで治るもの?

歯茎が腫れても、すぐに歯科医院を受診できないときもあります。市販の薬を使って症状を抑えたいとき、何日ぐらいで治るのでしょう。自分でケアするときの注意点も知っておきましょう。

歯茎の腫れは自然に治るもの?

「歯茎は症状の出やすい部位なので、ストレスや体調不良から腫れることも。丁寧なブラッシングでお口の中を清潔にして、体を休めることで症状が治まることもあります」(茨木さん)

市販の鎮痛剤を使うことで、一時的には症状が改善する場合もあるでしょうが、一週間ほどたっても改善が見られなければ、歯科医院への受診を推奨します。痛みや違和感があれば早めに歯科医院を受診しましょう。

「ただし、日ごろ歯科を受診する習慣のない方は、2、3日たっても改善しなければ受診したほうがいいでしょう」

血抜きや、つぶしていい?

歯茎が腫れているときは、自然と出血したり膿が出てしまうことはありますが、口に手指を入れる場合は清潔にするのはもちろんですが、自己判断はあまりおすすめできません。

血や膿が出る場所は傷ついているところなので、そこから細菌が入って、さらに症状が悪化するといったことのないように、なるべく歯科医院でケアしてもらいましょう。

歯磨きはどうする?歯磨き粉は使っていい?

歯茎が腫れているときも、痛みがなければ歯磨きは行います。
歯磨き粉の使用も問題はありません。痛みがあれば、デンタルリンスやジェルタイプで殺菌効果のあるものを取り入れるのもいいでしょう。

虫歯・歯周病予防のために大切なことは、お口の中を清潔にしておくこと。汚れを残さないようにするためにも、歯ブラシで丁寧にブラッシングすることが重要です。

その際に選ぶ歯ブラシは、「普通」~「柔らかめ」。「硬め」だと痛みを感じたり、歯茎をさらに傷つけてしまうこともあります。痛みが出ないように気をつけつつも、汚れを残さないように掃除しましょう。

どうしても痛い場合は、カーゼで拭う方法もありますが、やっぱり歯ブラシで掃除するのが理想的です。

腫れがひかない、なかなか治らないなら病院へ

丁寧な歯磨きや体をゆっくり休めても、なかなか腫れがひかない場合は、ためらわず歯科医院を受診しましょう。歯周病や虫歯など、お口の中の困った症状は、そのままにしていても治まりません。プロのケアを受けながら、ホームケアを行います。その人のお口の中の状態やライフスタイルにも合わせたセルフケアで、健康な状態に近づけるようにしましょう。

まとめ

歯茎の腫れは、歯周病から表れる症状である場合も。「これぐらいなら」と思わず、歯科医院を受診してみましょう。特に歯科検診を受ける習慣のない人は、気になる症状が出たら早めの受診を推奨します。お口の中を清潔にして、健康な歯を保ちましょう。