HEALTH
2018.11.25

炊飯器、圧力鍋、土鍋、今ある道具ですぐ炊ける美味しい玄米の炊き方

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健康を意識されている方なら、玄米食に興味を持たれたこともあるのではないでしょうか?

ビタミン、ミネラル、食物繊維など、私たちの体に必要な栄養分が豊富に含まれている玄米。栄養価が高いだけでなく、他の炭水化物に比べ糖質が少ないので、ダイエットの心強い味方でもあるんです。

一方で、白米に慣れている方にとっては、炊き方や調理の仕方がよくわからず、普段の食生活に取り入れるには、ハードルが高く感じてしまうこともあるかもしれません。今回は、そんな玄米についてお役立ち情報と、家にある道具で炊けるおいしい炊き方をご紹介します。

あなたの家にある道具でOK!美味しい玄米の炊き方

玄米が、精米している米と大きく違うのは、胚芽や表皮が残っている点。
栄養面はバランスよくても、硬くてパサパサしそう...とか消化に良くないのでは?というイメージを持たれがち。また、炊くには時間がかかりすぎるとか、うちの調理器具で炊けるの?なんて不安もあるかもしれません。

でも、実はみなさんがお使いのよくある調理器具で、ちゃんと美味しく玄米を炊くことができるんです! それぞれの機能性を把握すれば、そんなに難しくもないので大丈夫。
あなたにとって使いやすいツールを見定めておけば、玄米ライフも快適に始められます!

まず大事なのは水加減

まず、玄米を炊く前に大事なことと言えば、「水加減」と「浸水時間」
白米のように研ぐ必要はありませんが、最初に何度か水を替えながら洗ってゴミを取り除きます。洗う時、米同士をこするようにもみ洗いをすると、お米の表面に軽く傷がつき水分を含みやすくなります。柔らかくしあげたい場合は、洗い方もちょっと工夫するといいですね。

ポイントは、炊くときに使う水の量を玄米の1.5倍程度を目安にすること。ただし、圧力鍋など少なめの水でもおいしく炊ける場合もあるので、水加減は道具によって調整が必要です。しっかり水を含ませた方がふっくら美味しく仕上がるので、浸水時間は長めに取るように心がけてください。最低でも6時間、特に冬場は、一晩くらい浸水させてから炊くようにしましょう。

炊飯器で玄米を炊く

機械にお任せでセットさえすれば、後は放っておくだけでOKな炊飯器。玄米モードが搭載されているものもありますので、これから買い替えを検討されている方は、機能を確かめてから購入するといいですね。 玄米モードがある場合は、炊飯器の仕様に従って水加減、浸水時間を取るのがベスト。特にそのような機能がない場合は、1.5倍程度の水に6~7時間以上浸水させてから、通常のごはん炊きモードで炊き上げます。もし水が少なくて芯が残っていたり、固すぎたりするようであれば、再度水を足して炊きなおすこともできます。

高圧でしっかり火を通すことが、玄米を美味しく炊く秘訣。高圧力で炊ける玄米専用炊飯器はもちろん、火力の強いガス炊飯器もいい仕事をしてくれます。ガス炊飯器の場合は、ガス管に接続しなければならないので、一般家庭のキッチン設備には合わない場合もありますが、かまど炊きに近い形でお米を炊けるのが最大の魅力です。憧れの玄米おこげも楽しめますよ。 毎日の主食を支える炊飯器。最近は、高性能なタイプのものがたくさん出ています。ぜひ、選ぶ時もこだわって、自分のスタイルにぴったり合うものを見つけてくださいね。

玄米炊くなら、定番の圧力鍋

玄米派の支持が厚い道具といえば、圧力鍋。きちんとポイントを押さえれば、簡単な工程で確実においしく炊くことができます。

まず、浸水させた玄米を一旦ザルに上げて水をしっかり切ってから、圧力鍋に入れ、そこに新しく玄米と同量~1.2倍程度の水を入れて炊き始めます。そして強火にかけてしばらくすると重りが揺れ始めます。圧力がしっかりかかったら、弱火にし、15分~20分程度加熱。そのあとは、火からおろし圧力が抜けるまで10分ほど余熱で蒸らします。

蒸気を逃がさず高圧で炊き上げるのでふっくらもちもち。やはり玄米を炊くには定番の道具ですね。

土鍋で炊く 玄米の炊き方

いつも通りよく浸水させてから、水加減は玄米の1.5倍くらいで炊き始めます。ここで大事なのが火加減。はじめは中火にかけて、沸騰したら弱火にし、25~30分程度炊きます。火を止める前に蓋を開けて水が残ってないか確かめた後、10分程度は蒸らすようにしましょう。

はじめから強火にかけてしまうと、早く沸騰してしまうので、玄米に芯が残ってしまいがち。沸騰するまである程度時間をかけるのが美味しく炊くポイントですよ。

ストウブ や ル・クルーゼ、ホーロー鍋で炊く

熱伝導率や保温性に優れている鋳物ホーロー鍋。しっかりとした作りのストウブやル・クルーゼは無水調理もできる鍋として有名ですね。蒸す、煮る、焼く、炒めるなどあらゆる調理法が可能ですが、実は玄米だって炊けちゃいます。

炊き方は土鍋炊きとほぼ同じ。火からおろすタイミングはやはり蓋を開けて状態を確かめてから。このあたりは時間をきっちりというより、しっかり目で確認するのがポイントです。水分が飛んでカニ穴と呼ばれる小さな穴が表面に見られたら、美味しく炊けているサイン。仕上げに15分蒸らせば、おいしい玄米ご飯をいただけます。

フライパンでも、やり方次第で炊けるんです

玄米を炊くといっても、特別な道具が必ず必要というわけではありません。どの家庭にもあるフライパンやお鍋でも玄米ご飯を炊くことができます。とはいえ、浅いフライパンはご飯炊きには向きませんので、ある程度深さのあるタイプを使うようにしましょう。また、ガラス蓋を使うと中が見えて便利です。フライパンの場合、最初は思い切って強火にかけてしまうのが主流。ぐつぐつ沸騰状態をキープし、しばらくするとカニ穴が見えてきます。あとは水分を飛ばしてから適度に蒸らせば完成です。

フライパンを使うと、ご飯を炊くというより、ご飯ものを作るという感覚に近くなります。他の具材やスープを入れて、パエリアやリゾット仕立てにするのもおすすめです。一定の炊きあがりを目指すというよりも、毎回一味違う玄米料理にチャレンジする感覚でいれば、気負うことなく玄米ライフを続けられそうです。

忙しい人の味方 レンジで炊く

最近、巷では電子レンジでご飯を炊けるライスクッカーやごはんポット、便利で安価なグッズを色々目にするようになりました。浸水時間や水加減を多めに調整すれば、白米だけではなく玄米だって炊くことができます。ただ、難点はどうしても吹きこぼれてしまうこと。また、圧力鍋や土鍋のようにふっくら炊き上げるのは難しいかもしれません。ですが、電子レンジは、できるだけ手軽に調理をしたいという方には心強い道具。少量炊きたい時や楽に作りたいという時、大いに役立ってくれそうです。

美味しい炊き方って!?裏技をお教えします

玄米初心者にとって、最初に違和感を覚えやすいのは、玄米の硬さや香り。慣れればそれも味わいとして楽しめるようになりますが、どうしても苦手に感じてしまう方もいると思います。ただちょっとした裏技で、初心者にとっても格段に食べやすくなります。ぜひお試しください!

裏ワザ1 塩を入れて炊く

玄米を炊くときには塩を少し入れると美味しく仕上がります。塩は玄米特有の糠臭さを消し、苦みを緩和し、さらには食感も柔らかくしてくれます。塩味を付ける目的ではないので、入れるときは少量で構いません。2合炊くなら小さじ1/2、3合なら小さじ2/3程度を目安にするとよいでしょう。

裏ワザ2 ヨーグルトを入れて炊く

玄米の硬さがどうしても苦手という方には、ヨーグルトを入れて炊くという裏技もあります。ちょっと抵抗があるかもしれませんが、2合に大さじ1、3合に大さじ2程度のプレーンヨーグルトを入れるくらいでは、ヨーグルトの味が残るということはありません。ポイントは炊く前の水加減の際、ヨーグルトがダマにならないようによく混ぜること。ヨーグルトに含まれる乳酸菌のおかけで玄米に水が浸透しやすくなり、柔らかく甘みのある食味に炊きあがります。

裏ワザ3 もちもちで栄養満点!発芽玄米

塩やヨーグルトを入れる裏技で、玄米もずいぶん食べやすくなりますが、さらにもちもちとした食感を楽しみたいなら、発芽玄米をセレクトしてはいかがでしょうか。発芽玄米はその名の通り玄米を少し発芽させたもの。発芽によって糠が柔らかくなるので、白米と変わらない簡単な炊き方でももちもちの仕上がりになります。さらにうれしいのは栄養価までアップすること。ストレス軽減作用で知られるGABA(ギャバ)も増えて栄養素が体に吸収されやすくなります。食感、旨味、栄養素、三拍子そろった発芽玄米、かなりおすすめです。

裏ワザ4 びっくり炊きって?

玄米を炊こうと思い立った時に、浸水時間をゆっくり取る時間がない場合もありますよね。そんなときの裏技として「びっくり炊き」という方法があります。
方法は簡単。鍋やフライパンに水加減をした玄米を入れて、火にかけ、水分がなくなってきた頃合いで、米の半分の量の冷たいさし水を加えるという手法。そのあと、再度、蓋をして、さらに15分程度加熱して蒸らせばできあがりです。比較的短時間で出来上がるうえ、お米がふっくらボリュームを増し、美味しく仕上がると評判。米どころ秋田に伝わる「びっくり炊き」。一度試してみる価値がありそうです。

一合だけ炊きたいときはどうする?

一合だけ玄米を炊きたいという場合は、2、3合炊き用の小さめの土鍋や小ぶりなホーロー鍋などを使うと上手に炊けます。ですが、せっかく時間をかけて炊くのだから、一度に多めに炊いて、小分けにして冷凍するなど、工夫をしてみてもよいかもしれません。また、忙しい人には、1食分をパックした玄米ご飯もおすすめ。食べたいときにレンジでチンするだけで、美味しい玄米ご飯が食べられるのはありがたいですよね。

ちょっとひと工夫 おいしい玄米ご飯レシピ

風味も食感も豊かな玄米。炊き込みご飯やチャーハン、リゾットなど、いろいろな味付けを試してみると、より魅力が深まります。噛み応えがあるので、じっくりゆっくり味わって、おいしい食事の時間を楽しんでくださいね。

さっぱりおいしい 生姜と梅の玄米ごはん

生姜と梅干と昆布を入れて炊く玄米ご飯。
夏バテで食欲が出ない時や、身体の冷えが気になるときなどにもおすすめです。

生姜と梅の玄米ご飯 作り方と分量はこちら

香ばしい香りで食欲をそそる 高菜の玄米チャーハン

ごま油の香りと、ピリッとした高菜のアクセントがおいしいチャーハンです。
高菜はβカロチン、ビタミンC、ビタミンB群などを豊富に含む優秀野菜。おいしさのコツは、鍋肌から醤油を入れること。香ばしい香りが食欲をそそります。

高菜の玄米チャーハン 作り方と分量はこちら

玄米もふっくらおいしい 玄米トマトリゾット

たまにはこんなメニューはいかがでしょう?
玄米の硬さや香りが苦手な方でも、とろ火でしっかり吸水させると、ふっくらと食べやすくなります。お客様が来た時のメニューにも、華やかで栄養満点です。

玄米トマトリゾットの作り方と分量はこちら

まとめ

昔の庶民の暮らしでは、一汁一菜のシンプルな食事が普通でした。たとえば味噌汁、お漬物といった献立でも、そこに玄米があれば、きっと栄養のバランスも取れていたのでしょう。そう考えれば、玄米食を基本に置けば、毎日おかずを工夫したり何品も用意したりという手間が省けます。ちょっと丁寧においしい玄米を炊いてみる。そんなシンプルな心掛けを日々の習慣にしてみませんか?

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