11月8日は「いい歯の日」オーラルケアで未来の健康を守ろう
11月8日は「いい歯の日」です。 日本歯科医師会が、オーラルケアの重要性を啓発するために制定しました。「お口のケアへの意識を高めてほしい」「お口のケアが全身の健康を支えることを知ってほしい」という思いが込められています。
毎年「いい歯の日」には、オーラルケアの正しい方法や、口腔と心身の健康の密接な関わりを伝える活動が活発に行われています。ポスターや街頭イベントを見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
オーラルケアの正しい知識を得ることは、10年先の健康を維持する力につながります。 このコラムでは、オーラルケアの最新情報や、改めて知ってほしい口腔と健康の関係にまつわるお話をピックアップしました。ぜひ日々のケアにご活用ください。
目次
オーラルケアが健康維持に重要な理由とは?
近年、口腔環境と全身の健康、そして長寿との関連性についての認識が広まってきています。この関係性には複雑なメカニズムが存在し、今もなお研究が進められています。
日本人は中年以降、歯を急速に失う傾向
日本は世界の中でも長寿国として知られています。しかし、80歳前後の高齢者の残存歯数を調査したデータによると、世界各国と比較して決して多くないというのが現状です。さらに、歯科疾患実態調査などのデータからも、日本人の口腔健康の課題が明らかになっていて、特に中高年以降、急速に歯を失っていく傾向があります。
歯を失う二大原因「むし歯(う蝕)」と「歯周病」
一般的に、歯は奥歯から失われる傾向があります。比較的若いうちは、むし歯(う蝕)で失われる場合が多く、高齢になるに従って、歯周病によって失われる歯が多くなります。
むし歯が歯の喪失原因になることはよく知られていますが、歯周病も歯を失う大きな原因のひとつです。歯周病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行していきます。そのため、積極的な治療を行わずに放置している人も多く、成人の半数以上が歯周病またはその予備軍だというレポートもあるほどです。
原因はどうあれ、歯の喪失はオーラルフレイル(口腔機能の虚弱)を招く大きな要因の一つです。そしてオーラルフレイルは、全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
人生100年時代を元気に乗り切るためには、それぞれのライフステージごとに歯とお口の健康を維持する適切なオーラルケアが大切です。各自がこの重要性を認識し、具体的な対策につなげていくことが求められます。
歯周病とメタボや糖尿病は、負のスパイラルを呼ぶ関係
噛む力が低下すると、太りやすくなることがわかっています。また、歯周病の原因菌が血管から入り全身に巡ると、血糖値をコントロールするインスリンの働きを悪くし、糖尿病を悪化させやすくすることも明らかになっています。
一方で、肥満や糖尿病の方は歯周病を発症しやすく、しかも重症化しやすい傾向があります。つまり、メタボリックシンドロームと歯周病は、相互に影響し合いながら互いを悪化させる関係にあることがわかってきました。
そのため、歯周病の予防と管理は、メタボリックシンドロームの予防や管理にも重要な役割を果たす可能性があります。
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歯周病と糖尿病の意外な関係
心疾患と歯周病も相互に悪い影響を与え合う
歯周病と心疾患には密接な関連があることも明らかになっています。歯周病菌が血流に乗って全身を巡ると、血管壁に炎症を引き起こし、動脈硬化を促進させます。
実際、重度の歯周病患者は心筋梗塞のリスクが約2倍に上昇するという研究結果もあります。また、歯周病菌が心臓の弁や心内膜に付着して感染性心内膜炎を引き起こす可能性を上昇させることを示した研究レポートも存在します。 このように、心疾患予防の観点からも、適切な口腔ケアと歯周病の予防・治療が重要です。
オーラルフレイルが、心の健やかさを脅かすことも
また、オーラルフレイルは、高齢者の身体だけでなく心にも影響があることが、近年の研究結果からわかり始めています。
サンスターが2024年9月に発表したレポートによると、オーラルフレイルが将来の抑うつ傾向発症の予測因子となり得ることが示唆されたと報告されています。
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オーラルフレイルが将来の抑うつ発症リスクを高めることを確認オーラルフレイルが抑うつ傾向のリスク因子の一つとして気付きを与えることに活用できれば、本人だけでなく、その家族や周りの方々のQOL維持向上につながります。
この知見を活用することで、本人だけでなく、その家族や周りの方々のQOL(生活の質)維持向上につながる可能性があります。高齢者の身体的健康だけでなく、心の健康を維持するためにも、適切なオーラルケアが不可欠であると言えるでしょう。
オーラルフレイル対策に遅すぎることはない。でも早いほど良い
オーラルフレイルは、「口腔機能が健常な状態」と「口腔機能が低下した状態」の間にある状態を指します。具体的には、滑舌の低下、食べこぼし、むせ、噛みにくさなどの症状が現れ始める段階です。
このオーラルフレイルが進行すると、身体全体のフレイル(加齢に伴う心身の活力低下)に発展する可能性が高まります。その結果、要介護状態になるリスクや死亡リスクが高まることが研究により明らかになってきました。

一方で、オーラルフレイルは適切にケアすれば改善できる状態でもあります。そのためには、早期の段階で口腔機能の衰えに気づき、改善に向けた対応をとることが大切です。
まずは下記のリスクチェック表で、現在のご自身のお口の健康状態をチェックしてみましょう。

実際にチェックしてみると、自分にはまだまだ関係ない話だと思っている若い方でも、リスク要因を抱えている人もいらっしゃるかもしれません。
「気がつく」ことができれば、改善に向けた対策を打つことができるというもの。いい歯の日をきっかけに、前向きにオーラルケア対策を始めるための第一歩だと捉えましょう!
オーラルフレイルの改善と予防
オーラルフレイルの改善や予防には 「噛める歯を残す」ことと「お口の機能を保つ」ことの両面からアプローチすることが大切です。
- 【噛める歯を残す】ためにできること
- ・日常のオーラルケアにBIRを取り入れる
・定期的な歯科健診 - 【お口の機能を保つ】ためにできること
-
・噛む力を維持する(しっかり噛む習慣をつける)
・飲み込む力を維持する(舌の運動やストレッチ、会話を増やすなど)
・唾液分泌/お口のうるおいを維持する(唾液腺マッサージ、保湿剤の活用など)
※BIRとは
B:正しい歯磨き方法で行うブラッシング、I:歯間ブラシやデンタルフロスを活用した歯間清掃(インターデンタルクリーニング)、R:洗口液を活用したリンシングの意味
「噛める歯を残す」ことと「お口の機能を保つ」ことを意識し、日々の生活の中で継続的に取り組むことで、栄養状態の改善や誤嚥性肺炎のリスク低下、認知機能の維持などが期待できるはずです。その結果、全身の健康への良い影響や生活の質を向上につながります。
自分にあったオーラルケア製品でセルフケアを
お悩みに応じたケアアイテムを選ぶことは、お口の健康を維持する上でとても大事なことです。 1日3分の歯磨き習慣をより効果的・積極的なケアにするなら、現在のお口の状態に合わせて歯磨きペーストやマウスウォッシュを選びましょう。そして、定期的に歯科医院へ健診することも重要です。
サンスターは、皆様のお口の健康を守るためのアイテムを多く取り揃え、またオーラルケアを中心とした地道な保健啓発活動を長年継続し、オーラルケアの大切さや方法をわかりやすくお伝えしています。
https://jp.sunstar.com/story/csr/oralcare/口腔体操でオーラルフレイル予防。表情もいきいき
オーラルフレイルは、虫歯や歯周病などだけでなく、筋力などの低下も大きな影響要因です。個人差はあるものの、お口の機能の衰えは40代半ばから始まると言われています。案外早いなという印象を持つかもしれませんが、だからこそ早めの対策が肝心。
「お口の機能をトレーニングすると言っても、一体何をすればいいの?」という方は、ぜひサンスターの「おくち元気チェック」アプリを試してみましょう。
簡単な設問に答え、発話テストを実施すると、現在のお口の健康状態がチェックできます。 トレーニングを記録するコーナーもありますので、一定期間継続後、改善しているかどうかを再度チェックするために使うのもいいですよ。

【アプリのダウンロード】
App StoreとGoogle Playよりダウンロードしてください。
App Store :https://apple.co/33M53LF

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正しいオーラルケアで、人生100年時代を軽やかに歩もう
今、当たり前にできている「食べる」機能や「話す」機能がもし衰えてしまったら、身体の健康だけでなく、日常の楽しみが大きく損なわれてしまいます。歯周病や虫歯の予防はもちろん、毎日の歯磨きや定期的な歯科検診を通じて、オーラルフレイルのリスクを減らしましょう。
サンスターは、みなさんの人生100年時代を応援するサポーターとして、これからもオーラルフレイル・ケア・プロジェクトを推進してまいります。お口の中から健康を整えれば、より豊かな人生を送れると信じて、わたしたちと一緒に続けてゆきましょう!