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2023.02.20

【サンスター薬店薬剤師が解説】冬本番~乾燥!?ちょっと知っておきたい生薬の豆知識!

こんにちは。サンスター薬店薬剤師の阪井です。

暦の上では春ですが、まだまだ寒さが身に沁みる日々ですね。皆様、お元気でお過ごしでしょうか。今回は、お薬に関する豆知識、ということで第2回の口渇の内容にも少し関係のある生薬【麦門冬(ばくもんどう)】についてご紹介したいと思います。

口渇についてはこちらを参考に(第2回コラムへのリンク)

生薬?難しそうだなぁ

生薬とは

生薬というと、なんとなく薬になる草、とか漢方の原料になる特別な材料というイメージがある方も多いかと思います。
案外身近なものも生薬として使われており、例えば料理にも使われる生姜やみかんの皮を乾燥させたものも生薬の一種です。また、植物だけでなく、動物や鉱物を原料としたものもあって、蛇、ヒル、鹿の角、熊の胆のう、牡蠣の殻、鉱石等も生薬として使用されているんです。すごいですね!

植物の中でも、根、実、枝、幹等色々な部分が使われます。中には、同じ植物が部位違いで別の生薬として扱われることもあります。奥が深いですね。

では、本題の麦門冬に話しをもどしますね。
これはユリ科のジャノヒゲという植物の根の膨らんだ部分(サツマイモでいうところの芋の部分です)を乾燥させてできます。 じつは、このジャノヒゲも日本でよく見かけられる植物です。日陰でもよく育ち、公園の垣根などに植えられています。おうちに植えられる方もいるようで、リュウノヒゲ等の名前で園芸店でも売られています。

麦門冬は紡錘形で長さが1~2cm位、淡い黄色のほんのり甘い生薬です。外側に縦しわが入っていて、触ると硬いです。 生薬にはランク付けがあって、麦門冬の場合は大きくて、重たいものが良品とされています。

薬効は?

湿度の低い冬場は、手足がカサカサになったり、口・のどが乾燥したり、身体のいろんなところに変化が出ますね。このような状態は身体の水分が不足している状態とも言えます。漢方の考え方では、身体を冷やす働きがある水分が不足すると、相対的に身体に熱(炎症)の症状が出てきてしまうとされています。水分は成人の体重の約60%を占めるといわれています。身体にとって大切なものなんですね。

麦門冬は、身体の中の水分不足を補うことで身体に潤いを与える方向にはたらきます。喉が乾燥して咳が出る時や、口が渇いて辛い時に使われる漢方薬に使われています。

身近な植物がお薬になっていると思うと親近感がわきますね♪
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。皆様に、少しでも漢方に興味をもっていただければ幸いです。

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