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2023.10.25

塗り薬にも?ビタミンとお肌の関係

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こんにちは、サンスター薬店薬剤師の糸井です。

ビタミンは、身体を正常に動かすのに必須の栄養素の一つです。
必要な量は少ないですが、人間が身体の中で自ら合成することができないため、外から補う必要がある成分です。ビタミンは身体の中で様々な働きをしており、皮膚の健康にも関わっています。
栄養素なので、通常は食事から摂ることになります。しかし、中には皮膚や粘膜への効果を期待して、塗り薬や化粧品等にビタミンの一部が含まれていることもあるのです。
今回は、ビタミンと肌や粘膜の健康についてご紹介します。

ビタミンを塗って意味がある?

皮膚だけに効果が欲しい時、その部分に塗るだけで済むなら楽ですよね。 しかし、塗って効果が期待できる成分と期待できない成分があります。

皮膚の表面は水を通しにくい性質があるため、一般的に水に溶けやすい物質は皮膚を通じての効果を期待しにくいとされています。 ビタミンは大きく分けて水に溶けやすい水溶性のビタミンと、油に溶けやすい脂溶性ビタミンに分けられますが、塗る方法で使われるビタミンは主に脂溶性のビタミンです。もしくは、水溶性のビタミンを油に溶けやすくしたものが配合されている場合もあります。

例として、脂溶性のビタミンとしてレチノールやレチノイン酸(ビタミンA)やトコフェロール(ビタミンE)、水溶性のビタミンを油に溶けやすくしたものとしてパンテノール(プロビタミンB5)等があります。

一口にビタミンと言ってもその種類毎に期待される効果は異なりますが、例えば傷ついた組織が再生する際にはパントテン酸(ビタミンB5)の必要性が高まるため、体内でパントテン酸に変換されるパンテノールが組織修復作用を期待して塗り薬等に配合されることがあります。

ビタミンと皮膚の関係

そもそも、ビタミンと肌にはどんな関係があるのでしょうか。

肌や粘膜の表面では常に下から新しい細胞が作られており、一定の周期で細胞が入れ替わるようになっています。これを、ターンオーバーと言います。 ビタミンは身体の中の色々な物質の代謝・合成に関与しています。そのため、新しく正常な細胞が作られるためには、各種ビタミンが欠かせません。

「口内炎にはビタミンB」とか、「肌荒れにはビタミンBやC」等と言われるのも、ビタミンが不足すると皮膚の不調につながりやすいからです。 実際に、ビタミンCの不足で歯茎が腫れたり、ビタミンB2やB6の不足で口角炎や口内炎が生じたりということも知られています。

サンスターと言えばオーラルケア、ですが、歯茎も粘膜の一種なのでビタミンはとても大切です。 ビタミンは、下がってしまった歯茎を元に戻すほどの劇的な成分ではありませんが、元気な歯茎を保つためにも栄養バランスの取れた食事を心がけたいですね。

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