ORAL
2023.08.23

【サンスター薬店薬剤師が解説】食後・食前・食間の違いとは?

こんにちは。サンスター薬店薬剤師の糸井です。

お薬の用法、「食前」「食後」は分かるけど、「食間」って食事の途中ってこと?時間で書いておいてくれたらわかりやすいのに

そんな疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。
当たり前のように使われている言葉でも、詳しい説明を聞いてみると実は思っていたのと違った!ということもありますよね。
今回は、今更聞きづらい「食後」「食前」「食間」といったお薬を飲むタイミングについて、ご紹介します。

「食後」とは?

「食後」とは、食事の後30分後くらいまでのことを言います。 まだ胃の中に食べた食べ物が残っている状態で、比較的胃に負担がかかりにくいとされています。また、消化のために胃酸が沢山分泌されています。 「食後」の指示で出される薬は、“胃に負担がかかりやすい薬”や、“食べ物と一緒の方が吸収されやすい薬”などが多いです。 また、覚えやすいタイミングなので、“飲み忘れを防ぐため”にあえて食後で処方されることもあります。
食後30分後くらいまで、ということでオーラルケアを終えた後に飲むのでも、タイミングとしてはOKです。ただ、オーラルケア用品に含まれる、歯周病や虫歯予防を目的とした有効成分が薬を飲む際に一部流れてしまいます 。オーラルケアの効果を十分に出すという意味では少しもったいないです。 飲み忘れ防止の意味でも、ご飯→食後の薬→オーラルケアの順番がいいかもしれませんね。

「食前」とは?

「食前」とは、食事の30分前くらいのタイミングを言います。 いただきますの直前ではないので、注意しましょう。 食事の30分くらいまでにお薬を飲むと、その後食事を食べるまでの間に薬のほとんどが胃を通過しており食事とあまり混ざりません。 「食前」の指示で出される薬は、“食べ物と混ざってしまうと効果に影響がある薬”や“食べ物が胃にたどり着くまでには効果が出ていてほしい胃腸の薬”などが多いです。

「食間」とは?

「食間」とは食事の後2時間ほど経ったタイミングを言います。食事と食事の間、で食間です。 食事の後2時間くらい経過していると、食べたものも多くは消化されて胃を通過しており、胃の中は空に近い状態になっています。そのため、このタイミングで薬を飲むと、食前と同様に食事とほとんど混ざらずに済みます。 「食間」の 指示で出される薬は、食前と同様に“食べ物と混ざってしまうことで効果に影響がある薬”が多いです。また、他の薬は食事の前後で飲むことが多いので、“他の薬と混ざっては困る薬”が食間で出されることもあります。

食前の薬、飲み忘れたらどうしたらいい?

食前の薬を飲み忘れてご飯を食べてしまったなんてこともありますね。そんな時、どうしたらいいのでしょうか。
たとえば用法が「食前または食間」となっている薬であれば、食間で飲んでも大丈夫です。ご飯の後、2時間ほど時間をあけて飲むとよいでしょう。できればその日1日は、食間でタイミングを揃えた方が、飲む間隔が狭くならずに済むので望ましいです。
それ以外の薬の場合、お薬によっても対応が違うので、自己判断はせずに薬剤師に「食前に飲み忘れた場合はどうしたらいいか」 について相談してみることをおすすめします。
食後の薬や食間の薬も、同様に指示された飲み方で飲むのが難しいと思ったら薬剤師に相談してみてくださいね。

まちがった用法は、効果や副作用の出方に影響している場合が多いです。
薬の効果を十分に得るためにも、用法はしっかり確認して使ってくださいね。

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