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2023.06.28

ビタミンBと夏バテ予防

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こんにちは。サンスター薬店薬剤師の糸井です。
季節の変わり目には体調を崩しがちの方も多いのではないでしょうか。
汗ばむ日が続くと、だるさも気になってきますよね。
今回のテーマは、「ビタミンBと夏バテ予防」です。

夏バテにはビタミンBがいいって聞いたけどどんな風に効果があるの?

大事な栄養素なのは知っていても、身体の中でどんなふうに働いているのかは案外知らなかったりします。
今回は、身近な栄養素を薬剤師の視点で機能の面から深堀してご紹介します。

「ビタミンB」とは?

ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6…。ビタミンB群ともいわれるように、ビタミンBは1種類の物質ではなくいくつかの種類があります。初めてビタミンBと名付けられた成分が、その後の研究で実は1つの物質ではないとわかったという背景があり、似たような働きをするビタミンをまとめてビタミンB群と呼ぶようになりました。具体的な働きは成分ごとに違いますが、水に溶けやすく、身体の中の色々な働きをサポートする潤滑油のような働きをしている栄養素です。ビタミンB1、B2、…と数字を振って区別したり、ナイアシンやパントテン酸等物質名で呼んで区別したりされています。

ビタミンは、身体を正常に動かすのに必須の栄養素ですが、人間が身体の中で自ら合成することができません。エネルギーになったり、身体を作ったりする栄養素と比べると必要な量は少ないですが、食事などで補う必要があります。不足すると、エネルギーがうまく作れない、細胞の入れ替わりがうまくいかないなど、身体の様々なところに不調が出てきてしまいます。そのため、ビタミンは栄養素でありながら、組織修復をサポートする目的などで薬として使われることもあります。

夏バテに効くビタミンB?

ビタミンB群の中でも、特にビタミンB1やビタミンB2などを意識的に取り入れることが、夏バテによる身体のだるさや疲れの予防によいとされています。

理由は2つあり、 1つは、これらのビタミンが、栄養素からエネルギーを生み出す過程をサポートしており、不足することでエネルギーも不足し、疲労感をもたらすこと。
もう1つは、水に溶けやすい性質があり汗などと一緒に身体から出ていきやすいこと。

3大栄養素といわれる糖質・脂質・タンパク質ですが、実はこれらをエネルギーとして使うには代謝というエネルギーを取り出す工程を経る必要があります。代謝にはビタミンをはじめとしたたくさんの物質が関与しており、その中でもビタミンB1は主に糖質やタンパク質(アミノ酸)の、ビタミンB2は主に糖質や脂質の代謝に必須な成分です。これらのビタミンが不足すると、3大栄養素をとってもうまくエネルギーを取り出すことができません。

身体が疲労から回復するためには多くのエネルギーが必要です。そのため、ビタミン不足でエネルギーを効率的に作れなくなると疲労感に繋がります。

しかし、ビタミンBのような水に溶けやすいビタミンは、必要以上に取っても尿として身体から出て行ってしまうため、身体に貯めておくということができません。さらに、汗をかくことでも身体から失われてしまうので、夏場は不足しがちになるのです。

誰にでも効く特効薬というわけではないですが、こういった理由からビタミンB1やB2を積極的に取ることで夏バテが軽減されることが多い、というわけです。

どんな食べ物に入っているの?

ビタミンB1やB2が多く含まれる食品としてよく知られているのは、豚肉やうなぎです。土用の丑の日にうなぎを食べる風習も、栄養的に理にかなったものなのですね。
また、植物性の食品では、玄米や豆類がおすすめです。玄米は「白米に比べてヘルシー」というイメージが強いかもしれませんが、栄養の面でも優秀な食品です。普段のご飯を玄米に変える、補助食品をプラスする等で玄米を毎日の食事に取り入れるのもいい方法の一つです。

普段の食事をちょっと工夫して、夏を元気に乗り切りたいですね。

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