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2023.03.23

【サンスター薬店薬剤師が解説】歯周病の薬ってどんな薬?目的と付き合い方について

こんにちは、サンスター薬店薬剤師の糸井です。

歯周病に薬はありません、と言われた

というお話を伺うことがあります。
一方で、市販では歯周病の薬として売られている製品がありますね。今回は、歯周病と薬について考えてみたいと思います。

<対症療法と原因療法>

治療には大きく分けて対症療法と原因療法という二種類があります。

対症療法:今困っている症状に対して緩和や軽減をする治療
原因療法:病気の原因となっていることを取り除き、病気自体を治す治療

これを歯周病に当てはめると、

対症療法:困った症状(痛みや腫れ、出血など)が起きたときに、それを軽減する治療
原因療法:歯周病の原因を除去し、そもそも歯茎に炎症が起こらない環境を作る治療

ということになります。

<歯周病の薬は対症療法の薬>

さて、市販されているいわゆる歯周病の薬は、症状を緩和する対症療法の薬です。 歯茎が腫れている!痛い!血が出る!という症状を軽減することができますが、このような薬を使っても原因であるプラークはなくなりません。そうすると、一時的に痛みや腫れが収まっても、その裏で静かに歯周病が進行していくことになります。風邪のように身体の免疫反応で自然と原因が取り除かれるのであればよいのですが、そうでない場合に対症療法の薬だけを長く使い続けることはいいことではありません。

<歯周病の薬は意味がない?>

歯周病の原因療法はしっかりしたプラークコントロール(歯垢除去)。歯医者さんでのクリーニングと自宅でのしっかりとしたオーラルケアを行うことで、歯周病を起こさない・進行させないお口にすることができます。ただ、対症療法の薬にまったく意味がないわけではありません。実際に腫れや痛みがあってハミガキもままならない、ということもありますよね。そういう時にうまく薬を利用して症状を軽減させることができれば、結果的にセルフケアの向上につながります。また、腫れや痛みのような炎症症状は、長く続くと組織を傷めたりさらなる炎症を誘発したりするとされています。炎症を早めに収束させる手助けとして対症療法の薬を使うということも考えられます。

時間がないとどうしても受診せずに済ませてしまいがちですが、大切な歯を守るためにも歯周病?と思ったら一旦症状がよくなっても歯科受診はするようにしましょう。病気とも薬とも上手に付き合うことが大切です。わからないことはぜひ、薬剤師にも聞いてみてください。

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