HEALTH
2025.02.17

腸活で対策!花粉症シーズンを快適に過ごそう

お正月を過ぎると、「あれ?鼻がムズムズしてきた…」という声がちらほら聞こえてきますよね。
スギ花粉が本格的に飛び始めるのは2月中旬頃からと言われていますが、敏感な方はそれより前から「花粉の気配」を感じることもあるようです。

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや皮膚の荒れなど、花粉が原因で起こる症状は多岐にわたり、どの症状も生活の質を下げがちです。このような辛い花粉症状を軽減する対策として、今「腸活」が注目されています。

花粉で免疫が過剰反応するのはなぜ?

私たちの身体には「免疫」という頼もしい防御システムがあり、体に侵入してくる細菌やウイルスなどの異物を撃退する役割を担っています。

本来、花粉自体は人体にとってそれほど有害な物質ではありませんが、長年にわたって大量の花粉にさらされ続けると、免疫が「これも敵だ!」と勘違いして、過剰反応を起こしてしまいます。これが私たちを悩ませる「花粉症」のメカニズムです。

花粉のメカニズム(大まかな流れ)

免疫の過剰反応を抑制し、花粉症の症状を軽減するには

腸は、「食物を消化し、栄養を吸収するための器官」という印象が強いかもしれませんが、免疫の働きにおいても、中心的な役割を果たしていることが近年明らかになってきました。実際、免疫細胞の約7割が腸に存在すると言われ、「腸は人体最大の免疫器官」だと表現されることからも、健康への影響力の大きさがわかります。

つまり、正しい免疫応答が行われるためには、腸内環境の良し悪しが大きく関係しているということ。ヒトの免疫機能は複雑で、その仕組みにはまだ謎が多いものですが、難しいことはさておき、腸をいたわることは自分自身の健康に直結すると捉えるのが正解だと言えるでしょう。

腸内環境を整える、腸活・腸育とは

腸内環境をよい状態に整える「腸活」は、簡単に言うと腸内環境の善玉菌が優位な環境を作ることを意味しています。または腸内環境バランスをより良く保つために、菌の働きのリレーを支えることであると言い換えることもできます。

近年、腸内環境にとって有益な食品群にどのようなものがあるかも多くの人が知るところになり、積極的に腸活に役立つ食品を取り入れている方も多くなりました。

このような背景もあって、昨今、プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスという、腸内細菌にまつわる専門的な言葉もよく耳にします。これらのキーワードは、食品が含む成分が腸内環境でどう作用し、どのような効用があるのかをわかりやすく分類するための言葉です。

善玉菌が優位になるメカニズム

プレバイオティクス

プレバイオティクスは、腸内の善玉菌の栄養源となる食物繊維やオリゴ糖などの成分、またはそれらの成分を含む食品を指します。これらは人間の消化酵素では分解されず、大腸まで到達して善玉菌のエサとなります。例えば、大豆などの豆類、たまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなどに多く含まれています。

プロバイオティクス

プロバイオティクスは、腸内環境を改善する生きた微生物、またはそれらの成分を含む食品のこと。代表的なものには乳酸菌やビフィズス菌があります。ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、漬物などの発酵食品に含まれ、これらの菌(ないしはその死菌)を食事からも摂取することで、腸内環境を善玉菌優位の状態に保つサポート役として機能すると言われています。一方、食事から摂取した乳酸菌などは、腸に長期間とどまることが難しいと言われています。そのため、より良い腸内環境状態を維持するためには、継続的に摂取する必要があります。

シンバイオティクス

シンバイオティクスは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせることで相乗的効果を狙う腸活を指します。善玉菌(プロバイオティクス)とその栄養源(プレバイオティクス)を同時に摂取すると、腸内環境の改善効果を効果的に高めると言われています。

プロバイオティクス食材とプレバイオティクス食材

しかし、腸内細菌は人によってその構成が異なります。
つまり他の人にとって有益な食品が、自分の腸にとって有益であるかどうかは必ずしも一致するとは限りません。そのため、有益だと思って摂取している食品が、自分自身の腸内環境に良い影響を与えているかどうかは、排便の状態や体調の変化などから見極める必要があります。(お金をかけて検査をすれば、簡単にわかることもあります。)

一方、「腸育」は、善玉菌が働きやすい環境を整えるための新しいアプローチのこと。
残念ながら、加齢に伴い腸内細菌の多様性が減ると、善玉菌優位な状態を保つことが難しくなります。食事の質を高めたり生活習慣を改善したりすることで、ある程度ケアできるとはいえ、加齢は誰しも逃れることができないものです。加齢を加味した適切な腸内環境へのアプローチを選択することは、腸内環境改善の近道だと言えるでしょう。

そこで注目されているのが、「ラクトフェリン」という成分です。
初乳に含まれる天然成分ラクトフェリンは、生まれたての赤ちゃんを、外敵から守る成分として知られる有益な成分です。このラクトフェリンは、大人であるわたしたちにも有益な働きをもたらすことがわかっています。腸内環境改善面での働きとしては、腸内の悪玉菌から鉄を奪いその生育を抑制する、善玉菌のビフィズス菌を増やすなど、腸の土台を整える作用があることがわかりました。

ラクトフェリンの役割

しかしラクトフェリンは、普段の食事から腸に届く必要十分な量を摂取することが難しい希少な成分です。
忙しい毎日を送る現代人にとって、サプリメントなどの機能性食品の力を借りて健康維持に努めることも、一つの選択肢です。

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大人にも大切な成分・ラクトフェリンのお話

腸内環境を整えると、身体も心も上向く

腸内環境を整えることは単におなかの調子を改善するだけでなく、人生100年時代を生きる私たちにとって、必要な健康習慣のひとつと言って過言ではありません。

腸内環境の改善は、日々の食生活の見直しから始めることができることがたくさんあります。毎日の食事に、腸にいいことを少しずつでも積み重ねてゆけば、10年先の健康にも驚くようなメリットがもたらされるはずです。千里の道も一歩からの気持ちで、腸内環境改善を始めてみませんか?