ORAL
2021.09.22

大人の虫歯の原因・予防のための習慣をご紹介

生涯にわたり美味しいものを美味しく食べるためには、日々の口内環境のケアに気をつけたいものです。

ところでみなさん、「大人の虫歯」という言葉を耳にしたことはありますか。近年、残存歯数の増加に伴い大人になってからかかる虫歯が問題になっているんです。「大人の虫歯」は痛みを感じにくく、進行が早いため、気づいた時には手遅れ……ということになりかねず、歯の欠損の原因になることもあります。こちらのコラムでは、気になる「大人の虫歯」について解説します。

大人虫歯の特徴とは?

子供の頃からこれまで、歯科検診の際に「虫歯」と診断された場合、その都度治療されてきた方も多いかと思います。「虫歯って子供がなるものでは?」と思われる方も多いかと思いますが、実は65歳以上では以前よりも虫歯の数が増えているという調査結果もあるんです。 「大人の虫歯」は大きく2つに分けられます。
1つは、ハグキ(歯茎)が下がった部分に生じる「根元虫歯(虫歯)」。もう1つが、治療済みの歯に歯虫歯が再発する「再発虫歯」。大人の虫歯は、痛みを感じにくいのが特徴で進行しても気づきにくく、ズキズキと痛み出したときには手遅れということも…。

根元虫歯(被面う蝕)とは

詰め物やかぶせものなどの周囲は、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなります。そこに歯垢(プラーク)が溜まることで起こる虫歯のことを言います。

再発虫歯(二次う蝕)とは

歯周病の進行や加齢など、さまざまな原因でハグキは徐々に下がってきます。ハグキが下がると硬いエナメル質で覆われていない根元(象牙質)の部分が出てきます。ここに歯垢(プラーク)が付いて起こる虫歯のことを言います。

大人虫歯が増えている理由

「定期的に歯医者さんで検診を受ける」という、お口の健康に大変気を付けていらっしゃる方も多いかと思います。
近年は口腔衛生意識の高まりから、大人の歯の残存数は昔と比べて増えていると言われています。
しかしその一方で、せっかく残っている歯に大人の虫歯が増えているとも言われています。
円グラフは40代の歯を失う原因を表したものですが、その第1位は虫歯によるものなのです。

歯は加齢に伴い失われる?

「大人の虫歯」は痛みを感じにくく進行が早いため、なかなか症状に気づかず、知らないうちにどんどん悪化してしまうことがあります。グラフでも分かるように、40代以上のお口から年齢があがるにつれて歯が多く失われていることがわかります。
歯の残存数は、容姿に影響が出る可能性もあります。また、一生自分のお口で美味しく食事を楽しむためにも、歯を失う原因になる「大人の虫歯」には気を付けたいものです。

大人の虫歯を予防する方法は?

大人の虫歯を予防するには、「虫歯の原因菌が活動しにくい環境つくる」「歯を強くする」ことが重要です。
そのため、日々の生活で行うセルフケアに着目してみましょう。

食後の歯磨きは丁寧に

虫歯の原因菌が活動しにくい状況を作るため、食後に丁寧な歯磨きを行うことがおすすめです。特に磨きにくい奥歯や歯と歯茎の境目は気を付けて行うことを意識しましょう。

就寝前の歯磨きは丁寧に行うと効果的

虫歯の原因菌が最も活発になるタイミングはいつかご存じですか?
予想通りかもしれませんが、「睡眠中」が最も活発になると言われています。私たちが夜眠っている間は、お口の中は唾液が減って口内が乾燥しているため、虫歯の原因菌も活発になると言われています。そのため、夜寝る前のお口のケアがとても重要です。
就寝前の歯磨きは少し時間をかけて念入りに。洗口液や歯間ブラシ、デンタルフロスを活用するのもおすすめです。

ハミガキや洗口液は効果的な「フッ素入り」を選ぶ

大人の虫歯を予防するためには、「フッ素」が入ったハミガキや洗口液を選ぶことも効果的です。
フッ素は、歯の脱灰(歯からカルシウムやリンが溶け出すこと)を抑制すると同時に、再石灰化(溶け出してしまったカルシウムやリンを歯に取り込むこと)を促す働きがあり、歯の質そのものを強くしてくれます。
さらに、フッ素は虫菌自体の活動を抑える働きももっており、大人のむし歯予防に大変効果的な成分といえます。

まとめ

一生自分の歯で食事を美味しく楽しむこと。これは人生を豊かにすることの1つです。

毎日の丁寧なケアでお口の環境を健やかに保ち、大人の虫歯を予防することで、いつまでも美味しさを感じられるお口を目指しましょう。